コンクリート工学
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ラダーマクラギの開発と線路構造物のシステムチェンジ
涌井 一
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1998 年 36 巻 5 号 p. 8-16

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抄録

(財)鉄道総合技術研究所により開発されたラダーマクラギは, 縦マクラギ方式の次世代レール支承体である。平行に置かれた左右のコンクリート製縦ばりは, 鋼管製継材を用いて相互に連結されており, “はしご” 状の形態をなしている。コンクリート製縦ばりがレールを連続的に支持・拘束する構造であることから, 耐荷性能と横方向安定性に優れた「複合レール」を構成しているとも菖える。バラスト道床型ラダー軌道は, バラストの損耗に伴う軌道劣化を人幅に減らすことができる。フローティング型ラダー軌道は, 従来のスラブ軌道に代わるものとして, バラストレス軌道に革新をもたらすことができる。フローティング型ラダー軌道を採用すると, 経済性, 環境性, 耐震性に優れた新形式高架橋を構築できる。このように, ラダー軌道システムの導入により, 安全, 環境, 保守, コストの面において, 線路構造物および鉄道事業に人きな進歩をもたらすものと期待される。

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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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